スキルスタンダード研究所は、各業界へのスキル標準の活用・推進、プロフェッショナル人材育成に向けたコンサルティングサービスを提供します。
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コラム
第112話:ITSS、UISS導入コンサルティングと人材育成
 ITSSやUISSなどスキル標準を企業に導入する場面で、その企業の若手推進者や弊社の若手コンサルタントを育てることは大変重要です。導入プロジェクトの現場での人材育成が一番効果的なのは、システム構築のプロジェクトと同じです。さらに、上流工程の「変わらない技術」が必要なことも同様です。
スキル標準導入コンサルティングでの若手の育成について
 筆者のスキル標準導入コンサルティングは、システム構築の上流工程/システム分析の要求分析と機能分析の手法を用います。スキル策定から入るコンサルタントもいますが、何故そのスキルセットになるか、説明できないと展開する上で困ることになります。企業の目標を明確にし、あるべき姿を機能表現した上で、そのために必要なスキルは、という形で展開しないとビジネスモデルや企業目標にマッチしたものを構築するのは難しいのです。そうなると、それら一連の経験が無いとこの部分のコンサルティングは難しい、ということになります。

 筆者が導入コンサルティングの現場で後進を育成する場合、基本的に若手を対象とします。何故なら深い経験を持った方の多くは、自分の経験に基づいた考えに合わないものは、否定する傾向にあるからです。これでは、新しいものを取り入れるのは無理です。多くのIT系の人材開発に関わってこられた方々と接して初めて分かって驚きましたが、皆さん一様に考えが古くて頭が硬いという印象でした。また、付き合いが大きく広がった中で、さらに実感を得たのが、システム構築の基本的な手順をしっかりと教育されたエンジニアの方が少ないという現実です。論理的な考えや手法を知らないと、同じ結果を得るために無駄に多くの時間がかかるのです。そのような状況を考えると、余り色に染まっていない優秀な若手を鍛える方がものになる、というのが筆者の考えです。
「変わらない技術」の必要性
 KJ法やMind Mapを駆使して「要求モデル」や「ファンクション・モデル」を作り上げていく訳ですが、経験のある方はお分かりのように、これは完全にコンサルタントのセンスが決め手です。いかに顧客の思いを抽象化してモデルにするか、可視化するかということです。システム構築など経験のある方のほうが有利に見えますが、実は視野が狭くなり顧客の視点に合ったものができないケースも多いというのが現実です。
 色々な導入プロジェクトに参画するのは、最高に面白いはずです。導入手法は同じでも、顧客によって全てが大きく異なります。この企業は何を考えているか、どうなりたいと思っているのか、モデリングしていくと簡潔に理解して行けます。何度も何度も経験している筆者でさえ、常に新しい発見や驚きがあります。

 これらに直接触れることで、「要求モデル」と「ファンクション・モデル」がいかに重要かを実感できるはずです。 これらに接した若手が、これからどのような道に進むにしろ、100%役に立つ内容だと言えます。自らが積極的に進めていけば身に付く量が増える、やればやるだけプラスだとはっきりと分かります。どのような新しい技術が出てきて発展しようが、上流工程/システム分析のこの部分こそ、IT人材の全ての基礎になる「変わらない技術」だからにほかなりません。最先端の技術も大切ですが、ベースが無ければうまく扱いようがないのは当然です。もう一度原点に立ち戻って、何が必要かを明らかにすることも大切ではないでしょうか。
登録:2011-01-30 15:57:43
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