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コラム
第131話:個人視点のITSSを、いかに企業導入するか
 ITSSリリース当時から言われ続けている「経営戦略から入らなければ、ITSSを有効活用できない」という話しを、理解できている経営者や担当者が、どれだけいるでしょうか。話は分かるが、ではどのように導入・活用すればいいかが分からない、ということになり、一旦取り掛かったものの継続できないという状況があります。
経営戦略の捉え方
クリックすると拡大  「戦略」、「ストラテジ」という言葉は、いかにも抽象的に感じたり、身近に感じることが難しいイメージがあります。しかし、「What」を定義し「How」を考えること、と言い変えると具体的に受け取り易くなるのではないでしょうか。

 図のように企業戦略をトップダウンで3つの構造と捉えることができます。
事業運営レベルで組織がやるべきことが「事業ニーズ」。
 その達成ためにはIT人材のパフォーマンスを上げる必要があります。 IT人材が仕事を進める上で遂行しなければならないもの、それが「パフォーマンスニーズ」です。
 IT人材のパフォーマンスを上げるためには、目標達成のために学習すべき「トレーニングニーズ」と、人事制度や人間関係など職場の環境に対する「環境ニーズ」があります。
 この3階層をトップダウンで考えていかないと、「戦略から入る」ことにはなりません。多くの企業がトレーニングニーズや、環境ニーズから入ってしまっています。

 例えば3年後にどういうビジネスモデルを目指すか、また今から3年間でそのために何をしていけばいいか、ということを具体的に考えることが必要です。それを実現するために、どのようなスキルを持った技術者がどのような割合で必要かということを定義し、現在の状況を把握した上で、その目標の姿とのギャップより、育成プラン・採用プランなどを検討する、これが人材戦略になります。
IT人材視点の定義体
 ITSSは、顧客にいかにサービスできるかの視点のみの定義体・記述しかありません。したがって、企業導入する場合、どうやってとりかかればいいか分からないということになります。

・個人視点のものを、どのように企業に当てはめればいいのか
・キャリアフレームワークのどの職種のどのレベルに何人いるかを明らかにすればいいのか
・ではスキル診断だ

 この論理でスキル診断することが目的になってしまう企業がいかに多いことでしょう。自社の意志が入っていない共通的なフレームワーク上での現状把握のみではTo Beがないので、次のステップがないのは当然と言えます。

これでは活用しているとは言えません!
企業活用の2つの視点
クリックすると拡大  ITSSを企業に活用する場合、以下の2つの視点が存在すします。

○企業間
 IT業界内、企業間での比較、調達などを目的として活用する。
  → ITSSキャリアフレームワーク、定義など一切変更せずにITSSそのものを共通指標として活用する。
○企業内
 ビジネス目標達成に必要な人材を育成するために活用する。
 → ITSSをベースに、企業のビジネス目標やビジネスモデルに合った形に自社独自に標準化して活用する。
 (参照モデルとしての活用)

 この図を十分理解して、ITSSの企業導入を進める必要があります。
登録:2008-12-21 17:47:53
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