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コラム
第138話:活用視点を重要視するITSSへ! 〜いよいよ活用に自ら踏み込んだITスキル標準センター
 3月31日にIPA・ITスキル標準センターから「ITスキル標準 活用の手引き」、「ITスキル標準 導入プロセスの実証実験報告書」が公表されました。
 これまで、ITSSのドキュメントは数あれど、導入や活用に踏み込んだものは、ほとんど無かったと言っても過言では無いでしょう。ITスキル標準センターとして、初めて活用に軸足を置くという画期的な取り組みです。
 「活用の手引き」で示された手順を使って実証実験が実施されていますので、順に読めば、理解しやすくなっています。
「活用の手引き」について
クリックすると拡大  副題が「企業導入の考え方」となっています。
文中では触れられていませんが、「企業導入」とはITSSを企業活用するための検討〜導入作業のことを指しています。
 したがって「活用」とは、導入されたものを実際に活用・運用することを指します。人材育成などでの活用のPDCA、運用のPDCA、改善のPDCAが同時に廻ることになります。

 冒頭に、提供されているドキュメント類を、企業導入・活用の流れのどのタイミングで見ればいいかが示されています。(図参照)
 今までは、一冊完結型のドキュメントが多かったと言えますが、種類も増え活用側でも分かりやすくするために役割分担しています。これで、さらに各ドキュメントの充実度アップが期待できます。

 第1章は「ITスキル標準の捉え方」と題して、ITSS公表やバージョンアップの経緯が述べられ、その後活用の視点として、次の2点が明確に定義されています。

・企業戦略視点
 経営戦略、事業計画から人材モデル策定
・企業間比較、調達視点
 自社の企業価値や位置づけの可視化

 これで、ITSSをそのまま使う場合と、企業戦略や事業計画に沿って作り込む場合の違いが、明らかになりました。

 第2章は「導入プロセス」として、企業導入の手順をサンプルやワークシートを提示して詳細に記述しています。実証実験ではこの手順に沿って実施されていますので、双方を読み進めると、実例としてさらに分かりやすくなります。

 第3章は「導入後の活用策」として、データ分析や育成計画策定、運用などの考えを記述しています。
「導入プロセスの実証実験報告書」
クリックすると拡大  実証実験は、IPAの関連企業であるDEOS(北海道ソフトウェア技術開発機構)が受託し、弊社がコンサルテーションする形態で、2008年8月から11月にかけて実施されました。
 次の地場企業3社が参加し、キックオフを入れて全7回、各3時間のワークショップを実施しました。

(株)エイチ・アイ・デイ
(株)テイ・エス・エス
(株)北海道電子計算センター

 詳しくは報告書を読んでいただければいいのですが、弊社のコンサルタント2名がワークショップをリードし、参加企業が成果物を作成するという形です。
 先にITスキル標準センターが活用に踏み込んだと書きましたが、なんとセンターから毎回2名、もしくは3名が参加されました。
 活用視点を織り込んで、さらにITSSをいいものにしていくという姿勢が明確に表れました。ITSSの改定や普及に責任を持つセンターの意気込みです。

 ワークショップを進めた我々にとって、参加企業が短期間に関らず大変満足のいく成果を出せたということ、またITスキル標準センターが活用に踏み込む支援ができたことで、大成功だったと思っています。
 今年度もこのような普及活動を継続できることを願っています。
▲▽ 関連サイト ▲▽
「ITスキル標準 活用の手引き」
「ITスキル標準 導入プロセスの実証実験報告書」
登録:2009-04-10 23:42:07
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