ITSSやUISSの企業導入を考えたとき、「経営層に必要性をいかに理解してもらうか」が、高いハードルとして挙げられるようです。 何か一言で理解できたり、見て分かるようなものを用意できれば、と試行錯誤されている推進責任者の方々に、使ってもらいたい内容です。
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「組織IQ」について |
「組織IQ」を考案したのは、米スタンフォード大学ビジネススクールのヘイム・メンデルソン、マッキンゼーのヨハネス・ジーグラーらで、1991年からスタートした「スタンフォード・コンピュータ産業プロジェクト」の一環として世界規模のアンケートや調査を実施し、その結果から実証的に「組織IQ」のコンセプトが構築されました。
「組織IQ」は、それ自体で誰でもその意味を理解できるすぐれたワーディングです。 5つの視点で構成されており、簡単に説明すると次のようになります。
1.外部情報認識(EIA:external information awareness) ・組織の各部門がそれぞれにビジネス部門や顧客の必要な情報をつかんでいる ・最新技術動向などをキャッチする体制となっている
2.効果的決定構造(EDA:effective decision architecture) ・組織の各部門の意思決定・承認に対する体制、プロセス、ミッションが明確になっている
3.内部知識流通(IKD:internal knowledge dissemination) ・組織内で各種意思決定に必要な体制が整い、持つべきスキルや知識、業務プロセスが定義されている ・プロジェクトの開始時には、しかるべき体制で計画実施の承認や評価指標の設定をしており、終了時には評価の実施、及び成果の共有ができる環境が整っている
4.組織フォーカス(OF:organizational focus) ・ビジネス部門、ITベンダなども含め、基本的な役割分担が明確になっており、メンバも意識して仕事をしている
5.継続的革新(CI:continuous innovation) ・事業遂行能力を継続的に改善していくために必要となる人材像が定義されており、キャリアパスも明確になっている ・人材能力アップのための計画、実施、評価のPDCAがスムーズに廻るための仕組みや環境が整っている
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スキル標準活用の効果 |
この5つの視点が示すように、「組織IQ」は企業力や組織力のアップにほかならず、向上させるには、ITSSやUISSの導入がうってつけです。
図のように役割分担やスキルマップの可視化により、要員の適正配置が可能になり、企業目標と現状を見据えての人材育成計画策定ができます。 また、個人のパフォーマンスアップを促すためにも、キャリアパスの明示はなくてはならないものであり、誰もがなぜなのかが理解できる必要があります。 このように、スキル標準を活用することによって、現状の可視化ができるだけではなく、企業のビジネス目標達成を目指した具体的で、効果測定のできる思索を立案・実施 することができるのです。 |
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時間とコストをかけずに本格導入 |
以前、スキル標準ユーザー協会から提供されているITSSの簡易導入のための仕組みをご紹介しました。 さらにそれを進化させ、UISSの活用手順とITSS/UISS両方のコンテンツを使え、時間とコストをかけずに、スキル標準を本格導入できる仕組みが登場します。
詳しくは次回。 |
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登録:2009-08-30 23:13:11
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