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コラム
第75話:UISS/ITSS V2の導入手順〜その3 UISSとITSS V2の考え方
 74話の企業の目標人材に対する要求分析である「要求モデリング」のステップに続き、企業のあるべき姿−To-Beファンクションモデル−を求める「ファンクションモデリング」の説明に入る前に、UISSとITSS V2の考え方を再度整理しておきます。
UISS、ITSSの視点の違い
クリックすると拡大  73話でも言及しましたように、UISSとITSS V2を実質的、客観的に比較すると、次の表のようになります。ITSSに比べ、UISSは活用側の視点が色濃く出ており、その結果がキャリアフレームワークの独自性の考え方や、機能定義の提供などに現れています。
(詳しくは73話をご覧下さい。)
 また、ITSSはIT業界という単一の業界に属すITサービス企業が活用し、UISSはそれぞれ業界が異なるユーザ企業のIT部門が活用することになります。つまり、業界内でのキャリアフレームワークの共通化は、人材の流動性を考えても意味がありますが、別業界であるとビジネスモデルは異なり、同じ職種や専門分野で共通化する意味合いが薄まるのは当然だと言えます。さらにユーザ企業の場合は、ITサービス企業と異なり、他社とスキルレベルを比較する必要性は無いのが普通です。
UISSとITSSの今後について
クリックすると拡大  ITSSとUISSの今後の方向性として、ITSS V2で提供されているスキルディクショナリによる連携が考えられます。ITSS V2で新たに登場したスキルディクショナリは、知識項目の集合体になっています。旧バージョンでは、知識項目がスキル熟達度定義の中に一緒に定義されていて、スキルディクショナリは存在しませんでした。つまり、旧バージョンでは同じ知識項目が重複して定義されていたところを、切り出してスキルディクショナリとしてシンプルに定義したことになります。これによって職種専門分野ごとのスキル定義が見やすくなると同時に、今後のメンテナンスをしやすくしたという効果が出ています。ただし、スキル定義自体は、職種専門分野ごとに定義されたままであるために、同じスキル定義項目が重複して存在し、構造化やメンテナンスの効率化が実現できるまでには至っていない状態です。
 職種専門分野単位でのスキル定義は見る側にとっても重要なので、今後も提供していく必要はありますが、スキルディクショナリをさらに進化させて、知識項目だけでなくスキル定義項目を定義することによって、スキルの構造化を達成することができます。そうすればITSSだけでなく、UISS側からの活用も可能になります。双方で重なってくるスキルも多いので、このスキルディクショナリを活用する方法によって、うまく連携させることを考えることが可能です。そのためにはスキルディクショナリのさらなる構造化と、ITSS、UISSそれぞれのキャリアフレームワークに、スキル定義項目をどうマッピングするかのロジックを明確にする必要があります。
スキルディクショナリの活用
クリックすると拡大  さらに、スキルディクショナリの活用場面での捉え方として、「企業の目標人材を策定する上における参照モデル」であると、明確に位置づけることがでます。


 次回は、「ファンクションモデリング」についての詳細を説明します。
▲▽ 関連サイト ▲▽
9月20日出版「ITSS V2の分かる本」
登録:2011-01-30 15:48:01
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