iCDでは、タスクを全ての中心に置いていますが、使う側として一番身近なのが、タスクを束ねた「役割」です。これをしっかり理解いただくために、今まで経産省・IPAから公表されたスキル標準を基に、経緯を説明したいと思います。
ITSS・ETSSでは「職種」、UISS・CCSFでは「人材像」という言葉を使ってきました。 活用側ではそれぞれを人材に当てはめて使うのをイメージすることが一般的でした。 「職種」は厳密にいうと、人や役割ではなく、技術領域をカテゴライズした言わば分類のようなものです。ITSSの初期の説明文では明記されていましたが、使う側では知らずに、もしくは知った上で人材や役割と読み替えていたのが事実です。そのせいで、会社の仕事の単位や組織の単位と合わないことが問題視されたのもうなずける話です。 一方で、「人材像」も実在の人物をイメージしてしまうことから、複数の仕事を掛け持ちしている人、たとえば設計とPMなどを一つの人材像で表現しようとしたため、色々な組み合わせのものが多数登場してしまう羽目になってしまいました。 そういった、理解の違いをなるべく無くしていかないと、人材育成の仕組みとしては、うまく機能しません。
そこでiCDでは、共通した理解を促すために、今まで使ってきた「職種」や「人材像」という言い方を止め、「役割」に統一しました。本来企業で一番使われるのは役割/ロールであるということからも、大変現場感のある表現だと言えます。
しかしながら、過去の経緯もあり、役割の捉え方については注意が必要です。先述の職種や人材像の時と同様の混乱を招く危険もあります。 しかし、次のポイントをよく理解しておけば問題になることはありません。
・人と役割は通常1:nで考える PMをやりながら設計も担当している、など。 ・役割は育成できる単位とする PMを育成する、という考えになりたてること。 もし、PM+設計の役割設定になっているとすれば、育成のゴールが不明確になる。 ・組織の枠を外してキャリアパスが設計できる単位とする を ※次回はITSS活用している場合のiCDへの移行の考え方を説明します。 |