DXのためのiCD&ITSS+の活用も大事ですが、前回から2回にわたって、そのベースとなるところのお話しをさせていただきます。 日本企業で多用されている成果主義、MBO(Management By Objectives thru/and Self control)は、誤解されている場合があります。成果主義の考え方、さらにキャリアデザインとの関係、「リーダ」についてなど、理解するための重要事項を整理してみました。
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成果主義とは |
本来あるべき成果主義の考えとはどのようなものでしょうか。 先回述べたように、1年1年ぶつ切りになっているのではなく、将来のキャリアにつながる年間目標と、それに対するアクションが求められ評価されるわけですが、同時にフィードバックによる仕事の質のマネジメントと、質の理解を通じた次へのアクションが求められます。したがって、よくあるような目標の達成だけの管理は、あまり意味がないと言えます。また、数値だけではなく期待成果、期待役割を明らかにする必要があります。「成果≠結果」をよく認識する必要があります。
しかしながら、フィードバックは役職が上になるほど、その機会が少なくなるのが一般的でしょう。そうすると、それでなくとも現場から離れ気味の管理者自体が、さらに自らの役割や責任についてバランスを欠いてしまう可能性が出てきます。 成果主義をうまく廻していくには、管理者の位置づけが大変重要ですが、育成されていない、またはそのチャンスが少ないという現実があるのは確かです。
さらに、ここでの過去の成果貢献度評価と、本人のポテンシャルの評価は、はっきり区別したほうが分かりやすいでしょう。ポテンシャルの評価に関しては、企業としてその人材の将来的な活用や育成が伴わないと意味がありません。また、成果評価のように必ずしもフィードバックが必要なわけでもありません。 |
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どうあらねばならないか |
物づくりをする、仕組みを作ったり運用したりするといった場合などITは必須であり、いくらDXと言えど基本は「人が資産」なのですから、その人材を育成して行く義務と責任があります。さらに企業ビジョンや経営目標、戦略などを社員に明確にしていく必要があります。「売り上げ目標10%UP」ではなく、10%増えることによって何ができるようになるか、そのために何をするかを明確にすること。そして、社員がモチベーションを上げて仕事に取り組めるような機会と環境を提供する必要があります。 また、個人はビジネスマンとして組織のコアとなれる能力と、一定の専門性が求められ、明確なキャリアプランを持ち、実現するために努力し社員としての地位を確立して行く必要があります。 そのために企業は、個人の内発的な動機に合わせた考え方を理解し、うまく活用していく必要があるでしょう。 |
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人材育成と評価、リーダの位置づけ、および評価とMBOの関係 |
日本企業で多用されている成果主義、MBO(Management By Objectives thru/and Self control)は、誤解されている場合があります。また、「リーダ」と呼ばれる人材は、企業の目標達成のために大変重要な位置づけですが、部下を評価する場面でも能力が厳しく問われます。
また、評価のサイクルにおいて、期初に年間目標を立てて、期末にできたかどうかの達成率で評価するのでは意味がありません。将来自分がどうなりたいかを思い描き、そのためにこの1年間で何をしていけばいいかを計画実行し、PDCAを回していかなければなりません。MBOは1年単位で終わってしまうのではなく、キャリアプランの一番短期のサイクルとして位置づける必要があります。 |
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登録:2022-03-11 21:19:30
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