スキルスタンダード研究所は、各業界へのスキル標準の活用・推進、プロフェッショナル人材育成に向けたコンサルティングサービスを提供します。
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ITスキル標準の概要/メリット
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ITスキル標準の概要とメリット
「ITスキル標準」活用の目的

ITスキル標準のフレームワーク  「ITスキル標準」は、日本のエンジニアのIT国際競争力を強化することを目的に策定されています。

この「ITスキル標準」は参照モデルという位置づけであり、導入の際は経営戦略や人材戦略を基にした考え方に立たないと意味がありません。単純に11職種35専門分野、7レベルで構成されたキャリアフレームワークを、企業内取り入れてもビジネスモデルや経営戦略が反映されているわけではないので、企業のビジネス目標達成に貢献する人材を育成するには効果が薄いのです。

「ITスキル標準」活用の考え方

以下は、「ITスキル標準V2」概要編からの抜粋です。
  1. 「企業によってビジネス戦略が異なる以上、投資すべき対象職種も異なる。このため、ITスキル標準を企業へ適用する場合には、ITスキル標準の定義内容は共通指標として活用し、自社のビジネス戦略に合わせて企業固有の定義内容に置き換えた指標を設定することが求められる。」
  2. 「各企業は、ITスキル標準を共通指標として現場で特定できるレベルで解釈あるいは再定義し、企業固有の指標として適用する。これにより、企業間の解釈による差異を少なくすることができる。」
  3. 「ITスキル標準の位置づけは、基準や仕様ではなく、参照モデルである。すなわち各社がビジネス戦略の実現を目的に、人材の育成に関わる様々な立場の人が人材育成について共通の認識を持つために参照する指標ということである。「標準」といっても、自社のビジネス戦略の実現に必要な部分だけを参照すればよい。すべてを必ず使う、そのまま使うという位置づけにはないという理解が必要である。」
これらの文章のキーワードを取り出すと以下のようになります。
  • 「共通指標」
  • 「参照モデル」
  • 「ビジネス戦略に合わせて企業固有に再定義」
  • 「すべてを必ず使う、そのまま使うという位置づけにはない」
過去からのカスタマイズしてもいい、してはいけないという議論が、これで不毛だったことが分かります。もし、カスタマイズにフォーカスして「ITスキル標準」を語っていた方々がおられたとすれば、本当は正しく理解していなかったということになります。

また、以下の「ITスキル標準V2」概要編からの抜粋です。

「ITスキル標準は、事業活動における個人の貢献を的確に評価しようとする観点から活用することが必要である。人材投資という経営判断やビジネス戦略が伴わないままITスキル標準を導入することは、自社のビジネスや技術を担い、競争力を支えていくプロフェッショナルの重点育成策にはつながらない。ビジネス戦略に乏しく、単に人事管理上の便宜性や処遇制度の見直しのために利用するだけでは、逆に個人のモチベーション低下につながる恐れもある。」

ここで意味している「企業で活用する」というのは、以下の内容になります。
  1. ビジネス目標達成に貢献する人材を育成・調達するためには、ビジネス戦略を元に目標とする人材モデルを定義する必要がある。
    (ビジネス目標達成のためには、どのくらいスキルを持ったエンジニアがそれぞれどのくらいの割合で必要か。)
  2. その目標モデルと現在のリソースの状況とのギャップより、人材投資計画を立てる。
  3. ビジネス目標に対してのエンジニアの貢献度を、どのような尺度で評価するかを明確にする。
  4. 人材育成計画立案、実施、投資効果把握・評価、改善のP-D-C-Aをまわす運用モデルをデザインし、体制を確立する。
「スキル熟達度」、「達成度指標」、「コンピテンシー」の考え方

また、「ITスキル標準」初期バージョンでは、「スキル熟達度」と「達成度指標」の双方がスキルのように受け取れ、うまく切り分けができていませんでした。同じような言葉や数字が両方に登場して、何をどう理解すればいいか分からず混乱するという意見もよく聞かれました。最新バージョンでは、スキルは「スキル熟達度」としてスキル領域に定義されており、エンジニアがそのスキルを使って仕事をし、その成果を貢献度により評価する指標が「達成度指標」ということが明確になっています。
「スキル熟達度」
仕事(タスク)を実行するために必要な能力定義(スキル領域として定義)
個人が、それをどのくらい保持しているかを示す度合い
ITSSでは共通部分を定義してあり、企業で活用するにはビジネスモデルに合った形で選択、追加することが必要
ツールや試験などでの判定が可能


「達成度指標」
ビジネス目標達成に、どのくらい貢献したかを評価する指標
成果をビジネス貢献とプロフェッショナル貢献の2つの視点で評価
ビジネス貢献は責任性、複雑性、サイズで構成され、責任性の下に複雑性とサイズが位置付き、責任分野と役割を明確にした上で、ビジネスへの直接成果を明確化
プロフェッショナル貢献は、執筆や社会貢献などプロとしての公の活動を評価
ツールや試験などでは評価困難で、上位者の面談などによるアセスメントを含めた評価プロセスのデザインが必要
このように、仕事をするためのスキルと、成果の評価指標が「ITスキル標準」として定義されていることになりますが、仕事をするために必要なスキルを持っていても、貢献したりいい成果を出せるとは限りません。仕事を遂行する能力が必要です。一般的には、これがコンピテンシーやヒューマンスキルと呼ばれています。そのコンピテンシーは、共通化の困難さから定義の範囲から外すと明言されています。

コンピテンシーの定義は、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキル、実行力などと捉え、個人が持つべき能力の全体をビジネス能力とすると、「ITスキル標準」とコンピテンシーの関係は以下のようになります。


「ITスキル標準」には、コンピテンシーが定義されていませんが、企業で必要な人材像を求めるためには、コンピテンシーは重要な要素のひとつです。したがって、「ITスキル標準」から必要なものを参照するだけではなく、不足しているコンピテンシーや業界スキル、業務スキル、場合によっては個別技術スキルなどを追加していくことが必要となります。




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