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コラム
第136話:ITSSと情報処理技術者試験の対応 再確認!
 情報処理試験とITSSレベル1〜3が対応付けられたのは、2008年4月に公表されたITSS V3です。では、同2008年10月発表のV3 2008で、レベル4以上が対応付けられたのをご存じでしょうか?

ITSS V3と情報技術者試験の対応
クリックすると拡大  ITSS V3のIPA公表資料にレベル1〜3の対応付けが掲載されています。
(以下は原文)

・ITスキル標準レベル1
ITパスポート試験は、職業人として情報技術に携わる者に最低限必要な「基礎知識」を問うものであり、この試験の合格をもってレベル1で期待される必要最低限の能力レベルに到達していると見做すことができる。
・ITスキル標準レベル2
基本情報技術者試験は「知識」を問う午前試験と、「技能」を問う午後試験(選択式:経験がある人が解けるように工夫されている)とから構成されている。基本情報技術者試験は「上位者の指導の下に」業務を遂行するために必要となるレベル2の「知識」と「技能」を測るものであるから、この試験の合格をもってITスキル標準レベル2で期待される必要最低限の能力レベル(基本的な「知識」及び「技能」の習得)に到達しているものと見做すことができる。
・ITスキル標準レベル3
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験と同様に午前試験と午後試験から構成されている。応用情報技術者試験は、業務を遂行するために必要となるレベル3の「知識」と「技能」を測るものであるから(午後試験は記述式により応用的な技能を測定可能)、この試験の合格をもってITスキル標準レベル3で期待される必要最低限の能力レベル(応用的な「知識」及び「技能」の習得)に到達しているものと見做すことができる。
ITスキル標準のレベル3からは、得意分野に基づいて自身のキャリア形成を意識する必要がある。ITスキル標準の職種や専門分野の特定については、ジョブアサイメント状況や、それまでの経験を参考にして決定されるものとする。

 2008年10月にITSS V3 2008が公表されましたが、以下の文章が追加されています。

・ITスキル標準レベル4
高度試験(ITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験、情報セキュリティスペシャリスト試験、ITサービスマネージャ試験等)はそれぞれの職種に要求されるレベル4の「知識」と高度な「技能」を測るものであるから、試験の合格によってITスキル標準で最低限必要とするスキルの熟達度合いをほぼ満足していると見做すことができる。
ただし、レベル4では実ビジネスの世界で求められる総合的な能力発揮と責務遂行の実績、および技術の発展や後進の育成等のプロフェッショナルとしての実績が要求されるため、面接などによる「達成度指標」の評価が不可欠である。従って、レベル4に関しては、高度試験の結果と「達成度指標」で測定する業績の双方から評価する必要がある。

 ITSSと情報処理技術者試験の対応に関しては、「分かりやすくなって使い勝手がよくなった」という意見や、正反対の「試験で知識は図ることができるが、実務能力や経験実績を図ることはできない」という意見がありました。

 ただし、レベル3以上は専門分野に分かれているため、試験合格はレベルのエント基準のクリアという少し苦しい部分はありますが、結果的に、双方共にある程度納得性のあるところに落ち着いたと言えます。
(図参照)

・下位レベルの1〜3は、知識を優先
・上位レベルの4〜は、実務能力優先
キャリアフレームワークとのマッピング
クリックすると拡大  図は、ITSSキャリアフレームワークに、試験をマッピングしたものです。
レベル4以上については、試験が用意されていない部分が存在し、次のような注意事項がありますが、今後の方針として整合性を保つ方向性になるようです。

・ITアーキテクトのレベル4の評価にはシステムアーキテクト試験のほか、ITストラテジスト試験を参考にすることが可能

ベンダー資格のマッピング表は、スキル標準ユーザー協会から提供されています。
スキル標準を企業活用する場合は、双方を有効に使うことをお奨めします。
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登録:2009-05-01 11:34:22
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