スキル標準の企業導入における重要なポイントは、To Beタスクを明らかにすることです。いよいよ今回から、その考えや整理の仕方に入っていきます。
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企業導入とタスクの関係 |
人材育成は人材戦略にのっとっていないと意味がありません。では人材戦略は、というと経営戦略や事業計画を基に考えられたものでないと、つじつまが合わなくなります。 この関係は、言われればその通りと答える方が殆どだと思いますが、なかなかうまくリンクできないという現実があるのも確かです。
繰り返しになりますが、スキル標準の導入失敗事例の多くは、人材やスキルから設定していくという方法をとっています。なぜなら、これが一番やりやすいからです。こんな人材が必要だ、そうすればこういうスキルが必要だという流れです。そう考えた時点で、どうすればいいか分からなくなった方は、ITSSなどの職種や定義をそのままでいいのではないかという考えに至ってしまいます。これでは、自社の戦略や計画など微塵も入れ込むことはできません。
仮に試行錯誤して作り出せたとしても、他者への説明がしにくい、ということと作った方が異動などで担当から離れた場合に破綻してしまうことが殆どです。
つまり、説明できないものや引き継げないものを、PDCAを回して運用していくことはできない、ということです。
そこで、人やスキルからではなくタスクから考えてみる、という方法がCCSFでは採用されています。これは、2003年にファイザーにITSSを導入した時に作り出した方法論で、ITSS活用の手引きやUISSの導入活用プロセスでも採用されています。
このように企業導入を考えたときに、個人の視点である人材やスキル定義から考えるのは簡単なのですが、経営戦略や事業戦略を基にした組織視点のあるべき姿を求めるには、タスク(当初は機能と言っていましたが)、しかもTo Beのタスクを明らかにするところから入ることが重要なポイントです。 |
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機能分析/組織機能検証 |
CCSF導入活用プロセスの最初のステップである「要求分析」だけがCCSFから何も提供されません。企業ごとにビジネスモデルや目標、考えが異なるわけですから当然です。 しかし、この機能分析からはモデルとして提供されますので、有効に活用していくことができます。
まずは、現状の組織とタスクモデルのマッピングを行い検証します。企業や組織としての「To Beタスクの構成を明らかにする」ためのステップになります。タスクの漏れはないか?責任不在のタスクはないか?を各部署の責任者による確認を行ないます。
CCSFのタスクモデルは、非常に広い範囲をカバーしています。したがって自社のビジネスモデル上(将来において)、必要のないものを削除するということが基本的な作業となります。しかしながら、たとえばデータセンターの運営に特化しているビジネスを主体としている場合、ITSMやデータセンターの運営のタスクが求められることになります。そうすると、大きなタスクのくくりでは範囲としてカバーできているが、具体性に欠けるということも考えられます。そうしたケースは、タスクをブレークダウンして粒度を細かくしていく作業も必要になってきます。
ここでは組織の評価をしたいわけではなく、先ほど定義したように「To Beタスクを求める」ということが目的です。また、要求分析で、こうありたいという将来像を明らかにしたわけですから、現在実施していなくともTo Beタスクとして構成の中に入れなければなりません。その観点から今すぐ実施しておくべきなのか、少し先でいいのかという区分けも必要です。 逆に、手厚く内部で実施しすぎているのでは、というタスクも浮かび上がります。これらを基に、As Isを包含したTo Beのタスク構成を明らかにします。しかし、あくまで机上での設定なので「仮説」ということも忘れてはなりません。
〜その8につづく |
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登録:2013-04-15 11:29:24
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