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コラム
第215話:CCSFの活用方法 〜その12 人材像定義におけるスキルと知識の扱い方
 先回は責任範囲をタスクで示すことによって、ロールを明らかにしました。今回はその人材像の要となるスキル定義と知識の扱いについて、深堀りしていきます。
スキル・知識の考え方
クリックすると拡大  CCSFはタスクの最下位にサブセットとしてスキルが設定されています。タスクの責任範囲を示すことにより、スキルも明らかになる、このくくりをもって人材像と呼ぶのは先回迄で明らかにしました。

 おさらいをしますと、CCSFのタスクは図のように大・中・小分類の3階層で構成されており、その下にいくつかのスキル定義が設定されています。

 つまり、ここでいうスキルとはタスクを分解した「作業レベル」を、「〜できる」というスキル表現にしているということです。

 スキルとは何ぞや、という話の前に、なぜCCSFではこの方式をとっているかを説明します。
 企業における人材の役割を考えると、仕事ができないと意味がない、言い換えるとタスクに対してどの程度実施能力があるか、ということが重要になります。情報処理技術者試験を持っていても、必ずしも仕事ができるわけではないということと同じ意味です。したがって、企業へのビジネス貢献に重きを置いた人材定義や人材開発、育成を行っていくのであれば、CCSFで定義されたスキルを「評価項目」として使うことが必要です。

 しかしながら、次のような分かりにくさがあるのも確かです。
たとえば、タスクの下位に「現状分析ができる」というスキル、評価項目があったとします。現状では、上位者にサポートしてもらわないと実施ができないとすると、独力でできるようになるためには何をどうすればいいかを考えることになります。分かりやすいのは、トレーニングの選択ですが、ここがどうしてもうまく結びつきにくいのです。

 自社では、現状分析にABC分析やSWOT分析を用いるということならば、評価指標に「〜分析手法を使って」という具体的な文言を入れるか、別の知識テーブルを持って、その中の体系として分析手法を持っておくという方法があります。

 このようにすればどちらでも、トレーニングに直結させることができ、タスクの実施能力につながった対処法が実現できるということです。

 しかしながら、定義中に具体的名称を埋め込んでしまうと、方針変更などに伴うメンテナンスに負荷がかかってしまいます。

 CCSFでスキルと呼んでいる定義体は、理論的には正しいのですが、上記のことから理解不足になってしまう可能性もあります。

 知識とスキルの区別は難しく、ABC分析というと知識に聞こえますが、ABC分析手法を活用して現状分析ができる、とすればスキルとなります。

 そういう意味では、ITSSや情報処理試験のBOKで定義されているものも、知識やスキルが混ざった表現が散見されます。

 この状況で何がいい、悪いと断定してしまうのではなく、CCSFであらたに中身を分かりやすく定義していくことが大事で、その方向となるよう関係者一同努力しています。

  〜その13につづく
登録:2013-10-02 17:23:09
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