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コラム
第252話:スキル標準の歴史とiCD & ITSS+ 〜その5
 最新のスキル標準であるiCDやITSS+は、「企業」での活用が基本です。これまでもITSS、UISS、ETSSなど旧スキル標準についても、多くの企業が活用してきました。これらスキル標準の策定経緯や活用について、振り返ってみたいと思います。また、DX推進を見据えたいiCD & ITSS+ の活用方法についても深堀していきます。
ITSS+の位置づけ
クリックすると拡大  前回、DXを進めるにあたって「ITSS+」は必須だという話をしました。
ネーミングに関しては賛否が分かれますが、ITSSとはまったく別物になっています。
旧来のITSSキャリアフレームワークの横に追加するような代物ではありません。

 ITSSからiCDに至るまでのスキル標準の基本的な考え方は、図の左側、従来のIT投資を基本としています。
 対して今後必須になるDX時代は、右側の攻めのIT投資が重要となります。
スピード重視や、ビジネス部門が中心になって進め、パートナーも一体となる組織化などに重点が置かれます。
 今後はDX推進を睨んで攻めのIT投資を部分的にもスタートしていくことが重要であると言えます。
なぜiCDだけではDXに対応できないか
 iCDは、ユーザー企業、ITサービス企業、また様々なビジネスモデルの企業であっても活用できるようになっています。別の言い方をすると、どの企業にもそのまま使うことはできないということです。素材として揃っているコンテンツであって、それを材料に自ら組み立てるために用意されているものです。
 意志を持って企業や組織の将来計画を基に「頭を使って」構築します。To Beの姿を論理的、また客観的に表現できる数少ない方法の一つだと言えます。

 しかしながら、iCDで全てをカバー出来るわけではありません。タスクの並びを見ると2つの特徴に気づく方も多いと思います。

 一つ目について、まず筆者が現在のiCDの基本構造を作ったのは2004年ですが、その時はタスクと呼ばずファンクションと言っていました。まさに、機能として定義していたわけです。
 何かを設計する場合、機能的には「設計」と表現できます。業界が異なるシステムの設計、バッチ系の設計、Web系の設計、データ構造の設計、そしてDX関連でいうとAIを用いたユーザー向けのクラウドシステムの設計。設計の前にそれぞれ修飾子をつけると識別できますが、機能的には「設計」に変わりはありません。
 特にDX技術について同じように表現すると、いわずもがなミスリードにつながります。

 二つ目は、タスクはコンテンツの特徴としてウォーターフォールに見える構成になっています。3スキル標準、特にUISSの考えを基にしているわけですから、当然そのようになってしまうわけです。先ほどの機能的表現の混乱だけではなくて、DXの主流であるアジャイル開発がうまく表現できないことになります。無理やり表現しようとするとウォーターフォールのタスクと同じような定義となってしまい、埋没してしまいます。
 この状況を回避するために、ITSS+として別途定義するのは自然な流れだと言えます。

 iCDの中にもデータサイエンスやIoTが定義されていますが、タスクとして一体化しているのではなく、新たに「領域」を設けて一線を画してあり、当然使い方も異なるのは言うまでもありません。
iCD と ITSS+ をどう使うか
クリックすると拡大  DX推進への取り組みについて、次のような2つの形態が考えられます。

・デジタル技術、データを活用し従来の事業や業務を大きく変革
 ビジネストランスフォーメーションであって、従来の事業エリアの変更や新規事業とは異なる。
・スマート製品からデータを収集/分析し、新たな適用分野、新規事業の推進
 従来とは異なり、顧客ターゲット、収益源、提供経路を変革する。

 今後は、「いいものを作れば売れる」ではなく、顧客の動向をいち早く察知して購買行動につなげることが重視するカスタマー・エクスペリエンス(CX)戦略が重要となります。

 iCDの活用法は「Task Oriented Approach」であり、全体のタスク構造を求めた後で担当タスクの範囲で役割分担していくというものです。
また、iCDを活用することで、既存ビジネス、および将来目標をタスク構成で表すことが可能となり、次の利点があります。

・人ではなく組織機能視点での必要なタスク推進力を明示
・目標に対する客観的過不足の数値化
・環境変化や戦略変更に応じた素早い再構築が可能
 これは、iCDの特性を活用し、主力サービスを堅持することにつながる。

一方、ITSS+は 「Roll Oriented Approach」であり、あらかじめDX推進専用の役割を設定するところからスタートします。これで、Goalが見えにくいDX推進への対応が可能となり、次の利点があります。
・データサイエンス領域など各領域の定義体を使用した新たな適用分野への役割設定
・目的に応じた新たなDX技術取り込みと適用のための検証

DX推進に向けての利活用のポイントをまとめると図のようになります。

・iCDは現行業務、及びその延長線上にある将来の業務を表すのに適している
・反面、iCDだけではDX技術への対応が不可能である
・DX推進のための役割を立て、技術スキルなどはITSS+で補完する必要がある

 〜その6に続く さらに具体的活用に入っていきます。
登録:2019-12-15 15:43:26
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