人材育成の位置付けは、大きく「Project外」と「Project内」に分けることができます。企業にとっての人材育成とは、それぞれを充実させバランスよく機能させることです。
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Project外での人材育成 |
企業の戦略、ビジネス・モデルに深く依存した企業独自の目標人材を、スキルベースで表現した「目標人材モデル」として設定し、現状とのギャップから半期、通期、もしくは数ヵ年の育成プランを策定することになります。実施責任部署は、全社横断的な人材開発担当の部署となるでしょう。「目標人材モデル」設定は、基本的に「ITスキル標準」を構成するスキル領域で定義されているスキル項目を利用します。当HomePageで入手可能なファイザー株式会社の事例資料で、この「目標人材モデル」策定の手順などを詳しく説明しています。 |
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Project内での人材育成 |
Projectを円滑に遂行し、成功裡に導くために必要な人材を定義した「必要人材モデル」を設定し、現状とのギャップからProjectスタート前、もしくはProject実施期間内での育成プランを策定します。責任部署・担当はPMO、PMなどが考えられます。「必要人材モデル」 設定は、基本的に「ITスキル標準」のフレームワークをそのまま利用することになります。 Project要員調達をする場合、そのProjectの難易度、利用技術、使用製品、期間・スケジュールなどから、大まかな形で要員計画を作成しますが、一般的には、そのアウトプットとなるのは、SE何名、PG何名といった人月換算に用いるような内容でした。それを、以下のような「ITスキル標準」ベースの「必要人材モデル」に落としていく必要があります。
<Project要件> <必要人材> 難易度 ITA/DS Level4 1名 期間 → 「必要人材モデル」設定 → APS Level3 4名 利用技術 ITS/DB Level3 1名 使用製品 ITS/NW Level3 1名 ・ ・ ・ ・ |
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Project要員調達 |
「ITスキル標準」ベースの必要人材モデル設定ができれば、Project要員の調達に移るわけですが、通常条件を満足した要員調達が難しいのと、若手など経験不足のメンバをOJTで育成したいということで参画させる、というような現実があります。PMO、PMなどが、現場責任の一環で育成プラン策定の中心となることが、効率的であると考えられます。育成プランができれば実施自体は人材開発の担当部署に任せることも可能です。
<Project必要人材> <調達要員>
・ITA/DS Level4 1名 → A ;ITA/DS Level3 ・APS Level3 4名 → B ;APS Level3 ギャップより事前育成計画、 C、D、E ;Level2 → Project期間内育成計画を ・ITS/DB Level3 1名 → F ;ITS/DB Level3 立てる。 ・ITS/NW Level3 1名 → G ;ITS/NW Level2 |
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チーム・ビルディング |
Project要員調達の最終段階は、必要人材モデルと要員スケジュールから調達した要員のチーム編成の最適化です。Projectの成否はこの組合せによるところが大きいのですが、要員を選択できるほどの余裕が無いのが常です。しかしながら、PMOやPMなどの管理者が、要員の組合せについて事前にシミュレーションでき、チーム及びメンバの特徴や注意すべき点などを掴んでおくことによって、スムーズなProject運用にプラスになることは間違いありません。 要員 スケジュール <必要人材> | <候補要員> ITA/DS Level4 1名 V A APS Level3 4名 → スキルズ → B → チームビルディング → Project ITS/DB Level3 1名 インベントリ C シミュレータ 要員確定 ITS/NW Level3 1名 D ・ ・ → チーム特性 ・ ・ 把握 → 育成計画 策定
*詳細資料をドキュメントのコーナーにアップしてあります。是非ご覧下さい。 「ITスキル標準導入の考え方」、「人材育成の考え方」 https://www.skills.jp/docs/
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▲▽ 関連サイト ▲▽
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・ 第97話:UISS、ITSSの入りやすい利活用法
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登録:2011-01-30 15:55:04
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